繁中
EN
JP
IT
-
繁中
EN
JP
IT
M'LOMA
語り尽くせない郷思いの味
- 台東市正気北路109巷60号
-
18:30-21:00│予約制| 月曜、火曜公休日
- M'LOMA公式サイト
- 台東スローフード評定
- 2022年スローフード評定が三つ星
- 2024スローフード品評文化テーマ二つ星
阿嶽
花蓮・台東の海浜や水辺、田園を彷彿させるような体験をみんなに与えるよ。M'LOMAを出た時は少し燻製の匂いが残るけど、それがまさに家の匂いだと感じるだろうね。
「語り尽くせない郷思いの味」
M’LOMAはMa'ilol To lomaの略称で──アミ族の言葉で「郷思い」の意味。シェフの嶽(ユェ)さんは花蓮豊浜の新社部落の出身で、郷離れした彼にとって、料理は遠い故郷への思いを偲び、自分の成長と生活経験をシェアする方法だ。 毎日18:30に開店すると、嶽さんはお客さんの前でメニューのデザインや料理のひらめき、それから食材と季節の関係、さらに料理の手法や部落の伝統飲食文化との関連性について丁寧に説明をし始める。春のサラダには三種類のドレッシングと七種の熟野菜と三種の生野菜を使用、ほとんどの食材は一般のサラダで見慣れないものばかり。なかなか野菜の名前を覚えるのは難しいが、流石にアミ族のハーベスト能力と菜食い文化には圧倒される。野外にもそれだけ知るべき美味があったのかと感心するばかり。 嶽さん曰く、全ての部落は川に沿って生まれる。彼は灰色調で山椒の香りを基調にしたムースを乗せ、そこに蛤やしじみ、しらすを和え、部落族民が川口で漁をする伝統生活を思わせる。「燻焼」は嶽さんの得意料理で、狩人が山で獲物を獲った時には、運搬と保存の便を図って先ずその場でさばいて燻しにかける。M’LOMAのリブステーキは油に漬け込んでから燻し、また真空調理を経て二度燻しにかける。手間暇のかかるその一品は、狩人に敬意を払うアミ族の男児料理だ。 食事の間に飲むお酒は、もちろん部落の酒を厳選したもの。アミ族のもち米酒、ルカイ族のキヌア小米酒(アワの酒)、排湾族のローゼル酒など、嶽さんはそれぞれの地域を訪れ、酒造りをしている人々と信頼関係を築いた上で、ようやく貴重な美酒を得ることになった。 三杯のお酒、一杯の飲み物、料理八品にデザート一品。嶽さんはまるで『千夜一夜物語』の語り手のように、一皿ずつの料理と一杯一杯の酒を通じて、皆を花東の海岸、川辺や野原へと案内する。M’LOMAを去る際には、微かに残る身にまとわれた煙の匂いに気づく、それが、家の味わいなのさ。












